なんて痛ましいのだろう

長久手の立てこもりでSATの若きホープが亡くなった。
なんとも痛ましく、悔しい思いです。倒れていた警官も長時間救出できずにいた。
こんな痛ましい事件もあまり記憶にありません。
こんなことがあると、何故とっとと犯人を射殺しないのか?という声が出てきても当然でしょう。
今回の件に関しては、狙撃もやむをえないと私も思います。

しかし、ここで「犯人を撃ち殺してしまえ」というのは簡単なことです。
言う方は楽なんです。実行する立場になって考えて見れば、それがいかに苦痛を伴う決断なのか、理解できるはずです。

警察は犯人を捕らえ、裁判所に送るのが仕事です。決して警察が犯罪を裁いてはいけません。
警察権力と司法とが分離されているのは、民主主義の根幹をなす重要な意義があるのですね。
安易に射殺を選ぶことは、それを逸脱してしまう危険性があります。

従って、警察は犯人を殺すことを躊躇します。
一般市民への危険が避けれられないほど、高ければ別ですが、今回の事件でも負傷者は近親者と警官のみ。そして死者はSAT隊員のみ。警察関係者以外への被害の拡大がそれほど懸念されているわけではありません。ですから警察は射殺を決断できないという側面があると思います。

事件の早期解決と、無くなられた隊員の方のご冥福をお祈りします。