尖閣衝突ビデオ関連で思うこと

流出した尖閣衝突ビデオの内容は想像の域を超えるものはなにもなかった。
所詮、この程度なので、流出することでまたもや騒ぎになってしまったことが正味の損失となった。

このビデオを見て「明らかに中国漁船がぶつかってきた」と断言できる人は、ウソつきか、神様か、無知であるか、のいずれかだ。

ビデオは両方の船の相対的位置関係しか証明できず、それは故意の証明には使えない。従って、日本擁護の立場から見れば「中国船がぶつかってきた」と見え、中国擁護の立場からは「海保の船が進路を塞ぎ、体当たりで漁船を止めようとした」と見える。

それ以上の証明はできない。

簡単な例として、タレントの顔の表情を撮るために、頭にカメラ固定するでしょ?その映像は、顔が動かないのに、体がくるくる回っているように見える。それを見て「この人体が回っている!」と断言するのと、中国漁船が「故意にぶつかった」というのは全く同じレベル。

その程度の映像なんだから、公開したって、何の証拠にもならないし、帰って騒ぎが続くだけで、何のメリットもないと思っていた。

結果は予想通りでした。
これ以上、この件で騒ぎ続けるのは、正味の国家損失だ。

流出させた海保の職員については、組織内の情報をコソコソと「sengoku38」などと、閣僚を中傷するような名前でYouTubeに挙げ、出回ったとみるや、即フェードアウト。パソコン上のデータも消すなど、ビビリまくりの小心者。それ世論が流出に好意的と見るや、「国士きどり」で名乗り出て、「義憤」とは笑わせる。

義憤なら、最初から堂々と告発の形でやるべき。そういう形だったら、僕だって彼を擁護できた。
この程度の人間に対して「崇高」などと持ち上げる石原都知事も本当に浅はかなじいさんだと思う。

さて、この男を裁判にかけられるかどうかはあまり興味がない。海保が処分するべきだ。内部の情報を勝手にネットに公開したという事実を容認するならば、この組織はガバナンスを維持できなくなっていき、組織としての信用を失うことになる。

あと、閣僚が責任を取るべきとの論調があるけど、それは海保の情報管理に関する責任を追認したということなのだろうか?担当大臣が罷免されれば、海保も無事では済まなくなる。当然、件の職員を懲戒免職しなければ、つじつまが合わないでしょう。