断末魔の石原銀行

新銀行東京ではモラルハザードが起こっておりました。東京都では「自分とこの財布」ぐらいにしか思っていないのかもしれませんが、これでは金融機関としての信用力にも影を落としてしまいます。


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081023AT2C2201O22102008.html

 経営難に陥っている新銀行東京(東京・新宿)が大株主である東京都の経費の一部を負担していたことが22日、関係者の話で分かった。設立時の2004年4月以降、都がコンサルティング会社に支払うべき2000万―3000万円程度を負担したという。大株主が傘下の銀行を自己の都合で利用することを許してしまうと、銀行の健全性を損ないかねない。金融庁は銀行の管理体制に不備があったとみているもようだ。
 複数の関係者によると、経費を負担したとされるのは、都が新銀行東京の業務運営の指針として04年2月に公表した「新銀行マスタープラン」の作成料。マスタープランは銀行の経営理念、融資残高目標、提携戦略、事業・収益計画などを詳細に記載した計画書で、全部で94ページに上る。この計画書の最後に編集・発行者として「東京都出納長室総務課」(当時)と記されている。計画書の作成は大手のコンサルティング会社に委託。この作成料を新銀行東京が負担したという。 (08:11)
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そのうえ、顧客情報まで漏洩してしまうとは…
怖くて「使えません」


http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081022AT2C2101U21102008.html
新銀行東京 情報漏洩、1000件程度か
 新銀行東京(東京・新宿)を巡っては、国会議員や都議会議員などの政治家やその周辺が融資案件を同行に紹介していた実態が明らかになっている。都などに漏洩(ろうえい)したとみられるのは融資先の名称や所在地、融資金額のほかに政治家など紹介者の名前、融資判断の可否などを一覧表にしたリスト。関係者によると、1000程度に上る融資先が記載されていた可能性がある。
 政治家などの単純な紹介による融資は銀行法に照らして違法性がない。だが、顧客情報は金融機関にとって取引の基礎となる重要情報。その管理体制が確立しているかどうかは、銀行業の根幹にかかわる。大株主とはいえ、東京都に顧客情報が持ち出されていれば、行政処分の対象になりかねない。(07:00)

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一方、不良債権の引き当て不足について、新銀行東京は自ら情報発信する気もないようです。
金融庁がなぜ、公表しないのかに関しては、色々としがらみもあるのでしょうが、このままでは「100億で本当に済むのか?」という不信感も呼び起こしてしまいそうです。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081023AT2C2201P22102008.html

金融庁新銀行東京に100億円規模に上るとみられる不良債権の引き当て不足を指摘したことが明らかになり、同行や都には22日、業務提携している金融機関、都議会などからの問い合わせが相次いだ。ただ、検査内容の非開示を示した金融庁の基本方針を盾に、同行は「コメントできない」(総合企画部)との回答に終始した。
 大株主の都にも都議などからの問い合わせが殺到したが「検査結果を知りうる立場にない」(産業労働局)。石原慎太郎知事も記者団に「詳細は聞いていない」と述べるにとどまった。(07:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081022AT2C2101S21102008.html
新銀行東京、都の追加出資棄損へ 引き当て不足100億円
 経営難に陥っている新銀行東京(東京・新宿)に東京都が4月に追加出資した400億円の一部が2009年3月期にも棄損する見通しになった。金融庁は21日、同行に通知した検査結果の中で、100億円規模の不良債権の引き当て不足を指摘したもようだ。石原慎太郎知事は追加出資を棄損させないと表明してきており、知事への批判が一段と高まるのは必至だ。

 新銀行東京の経営悪化は従来のずさんな融資が最大の理由であり、最近の世界的な金融危機とは直接関係がない。(07:00)

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現在の世界的金融混乱のなかで、新銀行東京に対する信用不安に関するニュースがこれだけ相次いで出されてしまっては、「取り付け騒ぎ」が起こらないほうが不思議です。