テレビマスコミの病理② クソったれなスポーツニュース

 私はF1をたまに見る。ところが昨年ぐらいから地上波放送のオープニングに違和感を感じるようになった。最大の問題はスターティンググリッドの紹介。以前なら全てのチームとドライバーを紹介していたのだが、最近はトップクラスと日本人ドライバー、日本車チームしか紹介しないのだ。

 正直、テレビ以外でほとんどF1の情報を取っていない私にとって、これは困ったことである。冒頭で紹介されないチームがレース中に活躍しても、一瞬「?」となってしまう。

「あまりF1の知識があるとも思えないタレントを出すぐらいなら、大した時間じゃないんだから紹介してくれたっていいじゃん」と思うが、テレビ的にダメらしい。

 おまけにこのタレント達が日本勢だけを一所懸命持ち上あげている。トヨタやアグリの参戦は喜ばしい限りだが、それによって放送内容が偏狭になってきた。正直、純粋にF1を楽しめなくなってきた。

 F1放送が大きく変わったのはトヨタの参戦以来のこと。特に富士での開催が決まってから顕著になった。この放送内容の変化にはトヨタの圧力があるのではないか、と勘ぐっている。とかく巨大スポンサーに対してテレビは全く弱い。

 本来、スポーツ番組というものは、その世界におけるトップクラスのパフォーマンスを楽しむものであると思う。ひいきのチームの勝ち負けだけが問題というファンも多いだろうが、国際レベルの大会では、自国のひいきだけではつまらない。それ以外の素晴らしいパフォーマンスを正直に評価してこそ、スポーツの楽しみがある。

先日行われた世界フィギュアではトップの選手はいずれも素晴らしい演技を見せてくれた。にもかかわらず、スポーツニュースは日本人選手の動向を伝えるのみ。しかも女子では浅田真央選手の優勝の陰に隠れ、ともすると浅田以上であった中野選手の素晴らしい演技は全く紹介されないというオカシナ報道となった。

本当にテレビのスポーツ報道はクソである。